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2006年2月11日(Sat) タイプーサム Thaipusam (タイプーサム)




この日、私たちは日本人ばかりのグループで「Little India」へ。

中心地オーチャードから北東へ、「Little India」はインドの貴金属、民族衣装やシルクの布を売る店がぎっしりと立ち並びます。

バスや地下鉄の駅など、この町に近づくにつれて、インド系の人の姿が目立ちます。サリーを身にまとう女性の店員さん、町中に漂う香辛料の香りなど インドの街の雰囲気を味わえる、その名の通り「小さなインド街」です。

また黄色、赤、ピンク、とカラフルな「生花の首飾り」の露店など、初めてここに来られた方々は、「不思議」がいっぱいの町です。 ちなみに、この「生花の首飾り」はヒンドゥー教の寺院を訪れる方々が、「神様へのお供え」としてジャスミンの花を束ねたこの首飾りを買います。

私が訪れた「タイプーサム」というお祭りは、そうしたヒンズー教徒のお祭りです。ヒンドゥー暦の10月に行われます。(今年は2月11日でした)
「身体の悪い部分の治療」を願い、神の一人「スブラマニアム」に祈りを捧げる日です。




しかし、この祭りは地元の方々には「痛いお祭り」として有名です。
「Little India」周辺は、前日寺で行われる準備から、世界中からの見物客で賑わいます。なぜ、「痛いお祭り」と言われるかというと、
信者は舌や、頬、背中、腹や腕など、体中に針や金の串を突き刺して、行列を作り練り歩きます。 この体中に刺す針金は、悪い部分の治療を叶えられたものの「感謝の印」を意味するそうです。

しかし、まぁ見ている方も目を覆い、顔をしかめるほど、痛々しい光景です。

この祭りの見所は「カバディス」と言われる孔雀の形のみこしの様な飾りを背負って歩く、男性信者です。
この男性達は、頭の上に高さ1m以上もある 筒状のゴージャスな飾りを乗せています。頭上から腰の辺りまで、円すい形に広がる「カバディス」の横幅は2mを超えます。 この大きな飾りを支えているのが何百本にもなる 無数の針金です。
驚く事に、その針金のとがった先は、この男性の身体のあらゆるところの皮膚に刺さっています。
この「カバディス」は赤や黄色、青などの原色で飾り付けられ見事な見栄えです。カバディスを背負った男性は、正装した家族や親族を従えています。
時折、路上で太鼓や民族音楽のリズムにのせ 踊りを舞います。

この時、カバディスの飾りの孔雀の羽が、「ファッサ、ファッサ」と揺れ、まるで孔雀が躍動的にダンスしている様にも見えます。




痛い、痛いと目を覆っていた見物客もこの時ばかりはリズムに合わせて手をたたき、真剣な眼差しで舞を見守ります。

「舞を舞っては歩く」を繰り返し、寺と寺の間およそ3kmを練り歩きます。

現在このお祭りは危険をともなうため、本場インドでは禁止されており、シンガポールとマレーシアでしか見られないヒンズー教のお祭りです。
信者でなくてもこの行進に参加できるそうですが、その際には1ヶ月前から米、パン、肉、魚、を食べてはいけないそうです。

シンガポールは多民族国家です。中国系、マレー系、インド系、ユーラシアン、プラナンカの五民族が一緒に暮らしています。そして、それぞれの行事を、集う皆で祝っています。シンガポールの不思議をまた体験した気がします。


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