Saturday, April 19, 2008, 23:32 - エンターテイメント(MUSIC/MOVIE/BOOKS)
「あぁ〜、ほんまはっきりせ〜えへん天気やねぇ。」
中国語教室のエレベーターで偶然一緒になった事務職員風のおばさんに話しかけられました。
どんよりとした厚い雲が辺りを蔽っています。言うとおり雨か晴れか、はっきりしてほしい空模様です。
しかし、阪神間を横たわる六甲山系の山々の緑は、ここ数日の雨でぐっと緑の深みを増しました。
今夜は日頃お世話になっている諸先輩方と大阪・梅田の老舗中南米レストランへ出かけました。
ペルーを中心とした中南米の料理が味わえる店、南米フォルクローレの生演奏が聴けます!!
フォルクローレ音楽とは・・・、分かりやすくは、一番有名なのは「コンドルは飛んで行く」でしょう。
日本で一般に使われている、「フォルクローレ」は、アルゼンチン周辺の国々のフォークソング、
特にテンアメリカ諸国の民族音楽または、派生した大衆音楽を指します。
本来は英語のfolkloreは、フォークロア=民間伝承、民俗学という文化全体のことを言います。
アンデス・アルゼンチン・チリ・パラグアイ、それぞれの地域のフォルクローレが浮かびます。
それぞれに独自の特色の有るフォルクローレ音楽があります。
共通しているのは、その地域の先住民の音楽にスペインの音楽が混じってできたという成り立ちです。
この店では、フォルクローレの他に各種ラテン音楽、サルサなどのライブ演奏を行っています。
そのほとんどの曲には、スペイン語の歌詞がつけられています。
言葉こそ解らず、その歌詞の内容を想像するのには失恋の歌、生々しい愛の歌、昔の恋を想う歌、
ラテン楽器が奏でるどこか切なく哀愁の漂うメロディーにのせられた歌詞はソウルフルに聞こえます。
スペイン語が解る人に歌詞の内容を尋ねてみますと、地球・大地・自然の偉大さを歌うといいます。
今日は、今夜のライブで使われていた南米独特の楽器を紹介しましょう!
↑↑↑↑↑ 写真 左端から 縦笛の様な楽器が「ケーナ」
日本の尺八や中国の洞瀟(とうしょう)と同じ原理で、息を吹きつけることによって音が出ます。
フォルクローレ音楽でバンド演奏する時にはケーナが主旋律を受け持つことが多いです。
シンプルな楽器なので、演奏者次第で音色に変化をつけるなど、豊かに表現することができます。
演奏者の腕によって、音域は、3〜4オクターブ出ます。
昔は、植物の「よし」や「動物の骨」で作ったものがありました。今は竹や木で作られています。
その隣の筒が並んだ笛が「サンポーニャ」
長さの違った管が並んでいるのが特徴的です。長いものは1mを越えるものもありました。
筒の先は塞がっていて、管を吹いて音を出します。管の長さで音の高さも変わります。
フォルクローレの中では一人の人が2つのサンポーニャを持って演奏するのが一般的だそうです。
片方のサンポーニャは「ド・ミ・ソ・シ」の音の、もう片方は「レ・ファ・ラ・ド」の音、と、
簡単に言いますと、1つの楽器で音が1つとびになっています。時には2人のペアー演奏もあります。
ケーナと同様に、バンド演奏の中ではメロディーの主旋律を受け持つことが多いです。
次に、大太鼓を「ボンボ」といいます。ボンボはその昔、スペインの軍楽太鼓だったものが、
アルゼンチンの平原地帯でフォルクローレやアンデス地方の音楽にも使われるようになりました。
目に付くのが、動物の毛が生えたままの生皮です。牛、山羊、リャマの、動物の生皮が使われます。
太鼓の胴体部分は、アルゼンチンでは木をくりぬき、ボリビアではベニヤ板を丸めます。
写真の様に、一人が数種類の楽器を持って演奏します。曲によって楽器を持ち替えていました。
実は、アンデス地方のフォルクローレ音楽について言えば、本場はボリビアですが、
日本には1960年代のアルゼンチンのグループが初めてフォルクローレを演奏したこや、
後のサイモンアンドガーファンクルのアルゼンチンの歌「コンドルは飛んで行く」の流行で、
アルゼンチンとボリビアの両方がアンデス地方のフォルクローレ音楽を代表する国となりました。
また、アルゼンチンは民族音楽において、ブラジル、コロンビアと共に南米の音楽の大国と言えます。
南米のフォルクローレ音楽には、それぞれに、男女がペアになって踊るダンスがあります。
楽しみ方の1つとして、お祭りやライブハウスでは一晩中お酒を飲みながら踊り続けます!
広大な大地の広がる地域で、長い歴史を経てはぐくまれてきた大衆音楽。
現在も、こうして世界中のラテンアメリカの国々の祭りや酒場で演奏され愛され続けています。
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