*****  2007Dec14thFri   *****   シンガポールから手軽なカンボジア旅行の話〜PART6〜アンコールワットからよみがえった踊りの美!  
Friday, December 14, 2007, 15:03 - プチニュース
日本では灯油の高騰のため寒冷地方の低所得者への灯油代金の援助が決められました。
今日のニュースでは、この冬らしい話題として
全国チェーンの大手スーパーマーケットが「灯油」抽選会を開催している様子が伝えられました。
買い物3千円ごとに一回できる、この抽選会では灯油の引き換え券が当たります!
これは、東北・北海道を中心とした寒い地域の各店舗で今日・明日の2日間限定で行います!
中でも最もホットな特賞には灯油180L分を1本、1L分の「あたり券」を200本、×2日分準備されました。

なお、弘前市の12月10日の灯油価格は1L当たり95円ほど、
この値段は4年前の価格に比べますと2倍を超えているそう。
家計を暖めようと知恵を絞った、スーパーのプレゼントにニュースをあったか〜く見ていました。

さて、カンボジアで過ごした旅は内容の濃いものでした。
まだまだ次から次へと出てくるカンボジアの文化のお話です。伝統舞踊「アプサラ」について。

 

アプサラは↑↑↑↑↑ 写真 アンコールワットの遺跡の壁の彫刻にもたくさん登場します!!
アプサラは「天女・天使」と崇められ神に捧げられてきているため、遺跡の城壁画にも刻まれました。
カンボジアがが誇るクメール文化の華で、「アプサラの踊り」と呼ばれています。
9世紀頃に生まれた宮廷舞踊です。美しい衣装に身を包み、女性が優雅に舞います。
アプサラダンスは天女の踊りです。そして、この飾りの特徴は踊り子の手です。
指を反らしたり、ひじも逆手になるような、人の自然の動きと逆の動きをしています。
常に意識を体中に配る踊り子の舞いは、全ての動きにおいて優雅に映ります!!

  

現在では、レストランやホテルのショーで見られますが、「よみがえった踊り」と言われています。
「アプサラ」の復活。そこには、カンボジアの悲しい歴史があります。
ガイドブックによりますと、アプサラの踊り子は王室古典舞踊学院でのみ養成されていました。
しかし、ポル・ポト政権時代に、その舞踊の先生や踊り子が処刑のされました。
その数は、300人中の90%が対象になったと言われています。
その時、同時に振り付けを記録している書物なども消失しているそう。

現在のアプサラはその時、難を逃れた数人の人々によって息を吹き返されたのも。
また、1989年から伝統舞踊の復活を目的に、子供達を中心とした舞踊教室も始められています。



私達がこのアプサラの踊りを鑑賞したのは、レストランのショーです。
踊り子達はほとんど15、6歳に見えました。
ガイドさんの解説によりますと、この踊り子の少女達は厳しい訓練を受けこの舞台に立っているそう。
ステージの真横には地方の少年達が10人ほど、笛や太鼓を鳴らして、踊りを盛り上げていました。
↓↓↓↓↓ 写真
「クメール文化の華」と言われて代々継承されてきている「アプサラの踊り」。
真剣に取り組むステージの様子を見ていますと、
アプサラの踊りの復活を誇りとしているカンボジアの人々の思いが伝わってくるようでした。



最後に、アプサラの踊りの代表的な踊りを2ツ紹介しましょう。
1つ目が、「ラーマーヤナ」。紀元前数世紀前からインドで伝承されている踊りです。
クーメル宮廷舞踊の多くの基が、この「ラーマーヤナ」からです。
物語に登場するサルの将、ハヌマーンは西遊記の孫悟空のモデルになったと言われています。
コーサラ国の王様が、魔王に妻を奪い取られて、サルの王と共に魔王を打ち滅ぼし妻を取り戻す話。

2つ目は、「マハーバーラタ」。4世紀頃の古代インドの大叙事詩。
ヒンドゥー教の経典や逸話の伝説が織り込まれているので、ヒンドゥー教神話の源と言われています。
パーンダヴァ族とカラウヴァ族の王位をめぐる悲劇的な戦闘の物語です。

いずれの演目もアンコール・ワットの壁にレリーフとして残されています。

 

クメール文化はこうして、インドの文化をルーツとして、ヒンドゥー文化の影響を受けています。
また、タイの舞踊と似ていると言われています。これにも密接な関わり合いがあります。
15世紀のこと、現在のタイ「シャム軍」にアンコールワットは滅ぼされれました。
その時、宮廷舞踊団もタイへ連れさらわれ、タイでアユタヤの娯楽となりました。
それが、後にカンボジアへあらためて戻り、現在の形になったそう。

東南アジアの国々の文化が融合された、アプサラ、今も変わらず
「魂の言葉」「心の舞踊」「神への祈り」とカンボジアの人々によって大切に守られています。

そういえば、カンボジアの料理も近隣国の代表料理のルーツになったんでしたね。
(カンボジア料理については12月8日の記事をご覧下さい!*****  2007Dec7thSat   *****   
シンガポールから手軽なカンボジア旅行の話〜PART2〜おおざっぱにカンボジア料理! ! )

カンボジアが位置するインドシナ半島は東西の文化が交差する場所。
1世紀頃に、扶南(ふなん)として国を興した東南アジアで最初の国、
アジアの各国文化のルーツに影響を与えているクメール文化、とっても興味深い歴史があります。



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