*****  2008APR11thFri   *****    「シネマ歌舞伎」日本からシンガポールへ上陸、海外初上映のお話し! 
Saturday, April 12, 2008, 23:07 - エンターテイメント(MUSIC/MOVIE/BOOKS)
神戸の町には普段から外国からの観光客の姿が大勢見られます!
今日、その理由こそ分かりませんでしたが、いつもに増して多くの外国人旅行者の姿を見ました。
というのも、新幹線の切符売り場にこれまで見たことのない程の長蛇の列ができていました。
100人以上!?そのほとんどが、Tシャツにリュック、というバックパッカー風の白人の方々でした。
日本の国花である「桜」、咲き誇るこの時期に桜の名所を軽やかに巡っているのでしょうか???
私の周囲の留学時代の諸外国の友人達は皆「SAKURA TREE」を見たい!と、この季節に来日します。
今日の写真は、昨日に引き続き神戸市・中央区の生田神社の境内の様子です。
お宮参りのご祈祷中のご家族にも遭遇しました。境内の桜の木にはおみくじが結ばれています!

 

さて、今日の話題は、日本の歌舞伎が映画版として海外へ進出しているという話題。
この映画館で鑑賞する歌舞伎の舞台の事を「シネマ歌舞伎」といいます。
実際の上演の舞台を高性能のカメラで撮影したものをデジタルプロジェクターで上映します!
明日4月12日から、シンガポールで海外で初めて、このシネマ歌舞伎が一般公開されます。

演目は、「野田版 研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)」、野田秀樹が作・演出した人気の作品です。
これは、2005年の5月に十八代目中村勘三郎襲名披露で歌舞伎座で上演されたものを撮影。
この作品は、既に今年(2008年)の1月、日本の全国の映画館にて公開されています。
映画版の歌舞伎、国内でしっかりと手応えを掴んでの、今回の海外への進出です!
この「シネマ歌舞伎」を制作している松竹は、海外での公開に向けて慎重に検討してきています。
狙いは、海外での「歌舞伎ファンの開拓」、世界の主要都市の劇場の関係者と直接交渉をしています。
その中で、シンガポールが一箇所目に選ばれた理由には大きく2つあります。
まず1つ目には、劇場の設備、「シネマ歌舞伎」に必要なデジタルプロジェクターの普及率が高い!
というのも、シンガポールはIT立国を目指す国の1つで、これまで政府が力を注いで、
インターネットの普及促進や電子政府の推進などの国全体のITインフラの整備がされています。
そして、2つ目には1990年6月に東南アジア諸国で初の歌舞伎の公演が行われたのもシンガポール、
「日本熱」の続く国であり、つまりは、日本の文化や芸術への理解が行き届いた国でもあるでしょう。

この上映にあたっては英語の字幕が付き、「京鹿子娘二人道成寺」も同時上映されます。
上映期間は9日間で、2000人の来場を見込んでいます、企業の貸切上映の回も決まっています。
今後、年間3本「シネマ歌舞伎」を制作し、ニューヨークやパリでの上映へも意欲的に乗り出します。
6月からは、日本航空の国際線の機内でも放映されます!あの手この手を使い幅広くPRします!

 

近年、歌舞伎の魅力を外国人の方々へ知ってもらおうという働きかけを懸命に行ってきています。
その甲斐あって、歌舞伎の海外公演も各地で日本を代表する芸術文化として定評を得ています。
中でも、18代目中村勘三郎が率いる平成中村座のニューヨーク公演では、
2004年、2007年と2度に渡ってニューヨークタイムズ紙に成功ぶりが取上げられています。
回を増して、現地のホールを芝居小屋の様式演出、台詞の一部の英語化など、進化しています。

また、野田秀樹の手掛けた作品はいわゆる「野田版」と称され、
歌舞伎の定番演目が、より独創的でスペクタクルな演出の舞台へと仕上がり、観衆を魅了します。
専門家の多くは、彼の手掛けた作品について、「言葉遊び」と「リメイク」が施されるのが特徴、
「野田作品は古典の歌舞伎に新しい命を吹き込む。」と高く評価しています。

「雅やか」「優美」「情緒あふれる」・・・日本文化の良さを、より印象的に刻む歌舞伎の舞台。
古典を磨き続け、ますます光り輝く舞台芸術として、世界各国の人々の目にとまるのでしょう。



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